怒り心頭シリーズ 1
国家予算の半分を国債(借金ですよね)に頼っているような国が、他国の軍の引越しのために7000億円も拠出するなんて、いくらなんでも馬鹿げているなんて、ことくらい、僕にだってわかります。
http://www.asahi.com/politics/update/0424/006.html
合意しちゃうのか。
アメリカとの関係を続けていくこと(悪くしないこと)が日本にとってどれほど重要か、よくわかっています。
でも、わかっていてもさすがに腹が立つ。
たぶん、馬鹿なアメリカと阿呆な日本政府と同じくらい、無力な自分に腹が立つ。
この立ってる腹はおれのものだ。
水戸巡礼(献血記)
片道3時間半...をかけて行った甲斐がありました。水戸。偕楽の園。
今回は、茨城県近代美術館に行くことが主な目的でした。
そんな中、行き慣れない土地で注視してしまうのは、やはり人間。人間に表れる土地柄。
ここ水戸では、出会うひと出会うひと、とくに女性の、おくゆかしいこと。
サークルの同期生である、水戸生まれのお嬢様を思い出しました。なるほど彼女が水戸出身だという事実に、今なら頷くことができます。
でも、献血ルームの看護士さんまで、おくゆかしくしている必要はないと思いますよ...
僕は献血をしながら看護士さんと話をするのを楽しみにして、各地の献血ルームを渡り歩いているので、話が出来ないと、やっぱりつまらない。
空いてるんだからかまってくれー、と勝手なことを思う。
まあ、水戸人にはああいう静かな献血ルームが向いているのでしょう...か?
2006年 1月と2月の寄付。
ときど記 後記、1月の訪問者は220人でした。
更新を怠っている中、読んでくださった皆さん、どうもありがとう。
コメントは2件。
kanakoさん、どうもありがとう。
そして先月2月の訪問者数は154人でした。
先月は1回も更新しませんでした!が、のべ154人ものいひとが、ときど記 後記を覗いてくださったのですねえ。変な気分です。
というわけで、今回は2月分いっぺんに寄付したいと思います。
額は(読者数 × 10円 + コメント・トラックバック × 100円 = )
3940円。
寄付先は、Peace Winds Japan (http://www.peace-winds.org/ ).。
アフガニスタンの復興支援をしていく、という内容のDMが、ちょうどいいタイミングで来ていたのです。
というのも、「アフガン零年」という映画を、先日観たばかりだったからです。
「アフガン零年」(2003)は、タリバーン崩壊後のアフガニスタンで初めて制作され公開された映画です。
つまり、タリバーン政権時代には映画をつくることも観ることも禁止され、罰則すら課されていました。人間を堕落させる、というのがタリバーンの言い訳でした。
(僕などにはとうてい考え付きもしないアイデアです。)
貧しい一家を救うため、少年に扮して働きに出た少女の辿る悲劇、という、タリバーン時代の実話をもとにしたストーリー。
でも、おそらくは、実話どころか、この映画が公開されたアフガンにおいても、映画の少女と同じような体験をしたひとの数は少なくなかったのではと思います。
リアリティ。
生々しい、ということばが、映画を観た後に頭に浮かびました。あまりにも生々しい映画だったのです。リアリティを追求したからではなく、リアリティしかない中で制作された映画。
そして、驚くべきは映画のクオリティの高さ。
映像の美しさや、効果的なカットなど、いくつもの場面が印象に残ります。
つくるからには、とにかくがんばってつくりましたというレベルではなく、タリバーンによる抑圧の時代の鬱憤を晴らす、芸術的なものをつくってほしい、
という、映画を観る前の僕の思い、というか余計な心配は、嬉しいことに、杞憂に終わりました。
映画の記憶がまだまだ強く残っているところに、PWJからのDM。
僕は寄付を迷いませんでした。
そういえば先月、アップリンク・ギャラリー にて「アフガニスタン短編映画祭」が開かれていました。
http://www.uplink.co.jp/factory/log/001021.php行こうと思っていたら、一日だけの開催だったようで逃してしまいました...
ラブ・フットボール
左目の視力喪失をひた隠しにしながら、サッカーに献身。
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/03/07/20060307000033.html
驚愕の事実でした。僕はそのことを全く知りませんでした。
彼の精力的なプレーの一つ一つ、視野の広さ ―いまとなっては皮肉な表現になってしまいます― と落ち着きあるプレーが、それだけのハンディがある中で生み出されていたとは。
横浜マリノスのファンは、あなたのことを絶対に忘れない。ユ・サンチョル。
選手としても引退。Jリーグでも韓国代表でもKリーグでも、あなたの残した功績は決して小さくない。
今までお疲れさまでした。どうもありがとう!
12月の寄付。
ときど記 後記、先月12月の訪問者数は、のべ242人でした。
一ヶ月で2回しか更新しませんでした。リアルに ときど記 です。
コメントは、4件。
トラック・バックはありませんでした。
こちらもありがとうございます。
ということで今月の寄付額は、
(訪問者数 × 10円 + コメント × 100円 + トラック・バック ×100円 = )
2820円になります。
寄付先は、
岡本太郎「明日の神話」サポート基金(http://www.1101.com/asunoshinwa/ )。
おととしの秋、メキシコにて、長年行方がわからなくなっていた岡本太郎の大作「明日の神話」が発見されました。
縦 5.5m、横 30mにおよぶ巨大な作品です。
「太陽の塔」と対を成すとも言われています。
炎や煙、骸骨が描かれていながら、絵が与えるのは恐怖や戦慄さではなく、躍動するエネルギー。絵の力、人間の力。
サイズだけでなく、そこに表現されたものにもとてつもないスケールの大きさを感じます。
メキシコのホテルの壁を飾るため制作されたという「明日の神話」は、そのホテルが開業することなく頓挫してしまったために、行方不明になっていました。
それから30年以上もの間、所在が不明とされたまま、劣悪な環境に放置されてきました。そのため、作品は激しく損傷しています。
この補修と今後の展示に向けて、現在、支援が求められています。
岡本太郎の養女であり、昨年亡くなるまで太郎の作品の普及に尽力してきた岡本敏子氏は、「明日の神話」の修復を自身の達成すべき最後の仕事だと周囲に話していたといいます。
彼女の遺志を受け継いだ「明日の神話」再生プロジェクトは、作品の補修と展示を目指し、奮闘しています。
少額ですが、僕も賛同し、協力します。岡本太郎に少なからぬ影響を受けた者としては、スルーできません。
墓穴をホリエモン
彼によれば、ひとの心はお金で買えるらしいのですが、どうやら信頼はお金では買えなかったみたいです。
とうとう逮捕されたライブドア前社長、堀江氏。
僕もライブドアのブログにはたいへんお世話になっているし、マスコミの大勢に乗って彼を批難するにはまだ勉強不足ですが、ライブドアと堀江氏の今後は、気にはなります。
新体制のライブドアは、これからどうやって持ち直していくのだろうということと、
堀江氏は再び人気者のホリエモンに戻れるのかという、2つの信頼の回復を、注意して見守っていきたいです。
信頼を得るには、何よりも時間が必要です。
長期間、信頼するに値する行動を続け、業績を上げること。新生ライブドアには、それが可能なのでしょうか。
ところで、堀江氏は何よりも会社の評価、時価総額、端的に言えば株価を気にしていたというから、
株価を上げるための数々の(度の過ぎた)行いが、世間の明るみに出た途端に株価の暴落につながるというのは、なんとも皮肉なものです。
数日で会社の株価、時価総額が半減、それ以上の値下がりを見せたのだから、大したものです。
マスコミの過剰な持ち上げ・けなしっぷりを差し引いても、それだけ、世間を落胆させたということでしょう。
彼は監獄の中にいる今でも、ひとの心はお金で買える、とぶつくさ言っているのでしょうか。
2006年の911
911という数字の並びは、誰にも同じものを連想させるはずです。
2001年9月11日。
マンハッタンの世界貿易センタービルに飛行機が突っ込みました。いわゆる同時多発テロ。
炎上し、崩れ落ちる世界最大級のビルの様子は、世界中で中継され、人々を震撼させました。
その跡地では現在、新しい貿易センタービルが建築中なのだそうです。
僕も2月にニューヨークに行くので、その現場を見てこようと思っています。
WTCを設計したのは、日系2世のミノル・ヤマサキという建築家です。
日系人の両親を持ち、アメリカに生まれ、アメリカに育ったヤマサキは、コンペで他のライバルを制し、マンハッタンの新たな象徴ともいうべきWTCの設計を勝ち得ました。
アメリカで最もアメリカらしい都市のシンボルとなるビルを、日本からの移民の子どもがつくりあげたわけです。
この事実は奇しくも、メルティング・ポット ― 人種のるつぼであるニューヨーク、そしてアメリカの性格をも表していました。
一方で、このWTCを、無理矢理なグローバライゼーションの中心であり、唯一の超大国であるアメリカの憎むべき象徴とみなす人々もいました ― 当然です ― そして、その後のWTCの悲劇を、いまや知らないひとはいません。
911の後、WTCの再建にあたって、様々な意見が挙がりました。
以前と同じ貿易センタービルを再建するという意見。
いや、以前よりもさらに高い2棟のビルを建てるんだという強硬案。
結局、WTCの象徴するものが、ある種の人々にとってどれほど憎むべきものであるのかを顧みることもないままに、強硬案に近い形で再建が進んでいます。
或いは、誰もが利用できる公園にしようとか、911で亡くなった人々の墓地にしようという意見もありました。
おそらく、支持を得られなかったであろうことが推測できます。
或るクリエイターは、光によるWTCの再現を提案しました。
WTCの跡地から2つの強力な光線を放つことで、光のWTCを夜空につくりあげる。これは911以前から企画されていたそうで、テロによってビルが崩壊してしまった後になって注目されたのだといいます。
光は、希望の象徴。「北風と太陽」でいうところの太陽のようなアイデアだと思います。
雑誌「Art in America」の表紙にも採用された光のWTC計画案は実に美しい。ぜひ、実現してほしいです。
一方、まったく違う観点から911からの復興を目指した建築家もいました。我らが安藤忠雄氏です。
彼はWTCの跡地に巨大な円形の墳墓を築くことを提唱しました。
地表から、小さな地球の一部が顔を覗かせているようなこんもりとした丘。土を盛って、芝を植えて、3万人!が座れるような場所。
もはや開発の必要のないマンハッタンに、これ以上ビルを造る意味はない。人類の共存を考え、静かに平和を祈れるような場所として、WTCの跡地を再生してはどうか。
僕は、ぜひ、この墳墓に座ってみたい、と思いました。テロに傷ついた人々の回復はもとより、テロの原因となった様々な問題を考え、平和を祈る場が、他でもないアメリカにできることには、とても大きな意味があると思うのです。
残念ながら、安藤氏の提案は提案のままで終わってしまいましたが...
ナマ卵の美術史
3年前、僕が大学1年生のときの美術史の授業。
先生は大きな荷物と共に教室に入ってきました。
大きな黒いキャリーケースのような中から出てきたのは、卵でした。何ダースも。大量の。
アシスタントにその卵を配布させながら、先生はその日の授業内容を説明し始めました。
曰く、
コロンブスは茹でた卵を立てて周りのひとを驚かせたけれど、あれは素人のやることだ。
生卵は、そのままで自立する。
割らないように気をつけながら、机の上に卵を立てなさい。
卵は、その独特の、円形の軌道を描いて転がる卵型をしています。
立つはずないじゃん。
第一、美術史の授業なんですが先生。
僕たち生徒はよくわからないまま、自分の机の上に卵を立て始める。先生にやにやしながら見ている。
コロンブスよりも素人の僕たちは卵を立てられない。先生、相変わらずにやにやしながら見ている。
しばらくすると、立った、という小さな声が聞こえました。
生卵が自立したそうです。
またしばらくすると、突然、僕の卵も立ちました。本当に突然のことでした。
コロンブスを超えた瞬間でした。
結局、生徒全員、それぞれの卵を立てることができました。
先生はこんどはにこにこしながら僕たちの様子を見ていました。
漸く講義が始まりました。
先生曰く。
生卵は、流動的な卵の中身(黄身)の重心と傾きが、地球の引力の向きにぴったり重なったときにのみ、直立するつ。
不安定な卵形だから、そのバランスは極めてもろい。その唯一のバランスを保つことができたときにだけ、卵は立つ。
「唯一のバランスを保つ」ことが、美しいということだと私は考える。
美術作品は、唯一の美しいバランスを求めて作家が試行錯誤した形跡である。
なぜその色なのか。なぜその線なのか。塗りの厚みは。素材は。額は。
全てが唯一のバランスのために構成されている。作品を観るのは、そのバランスを見極めることである。
君たちは努力しなければならない。
観ることに努力しなければならない。卵が立つ唯一のバランスを思い出してほしい。そして観てほしい。
一通りばあっと喋ると、先生は割れていない卵を回収して、授業を終え、教室を出て行ってしまいました。
11月の寄付。
ときど記 後記、先月11月の訪問者数は、のべ333人でした。
デフレぎみですが、読んでくれていつもどうもありがとう。
コメントは、4件。
トラック・バックはありませんでした。
こちらもありがとうございます。
ということで今月の寄付額は、
(訪問者数 × 10円 + コメント × 100円 + トラック・バック ×100円 = )
3730円になります。南。
寄付先は、
NPO法人 難民を救う会(http://www.aarjapan.gr.jp/ )。
たとえばザンビア。平均寿命が32歳。
いまだにエイズが蔓延し、国を挙げてその撲滅に取り組んでいる状態なのだそうです。ただ、病気と貧困、親を亡くした子ども達のケアなど、問題は山積み...
僕は、エイズの猛威を数字をしてしか知ることもできず、日本の半分以下の平均寿命の国がどんなものなのか、想像もできません。
その理解は、行って体感しないことには不可能なのでしょう。
エイズのため苦しんでいる人々に何かちょっとでも楽しいこと、美味しいものを食べる時間を提供したい。
そんな思いを、難民を救う会の方々に託します。
Buy Nothing Day
この大切な地球環境、そして人間の環境への何よりの貢献は、ものを買わないことだと常々思っています。
ものを買わなければ(あるいは、もらうこともなければ)、ゴミは発生しません。
ものを買わなければ、生産は減ります。
ということは、それに伴う生産段階でのエネルギー使用、自然への負荷が減ります。
もちろん原材料の消費も抑えられます。
それは進歩を大前提とした資本主義へのアンチテーゼ。反旗。裏切り。「恩を仇で返す」。逆走。
でも、そもそも進歩を前提に置くのってどうなのよ。
ものを買わなければ、ものが減って、身の周りもまちもすっきりします。
ものを買わなければ、ものが売れなくなれば、ものを売るひとも徐々に減って、何かとビジネス!ビジネス!な風土も変わるでしょう。
しつこいほどの広告も減って、至るところ宣伝だらけのまち並も変わるでしょう。
ものを買うのは楽しい。
ものを買わないのはつまらない。
でも、ものを買わないという態度も、立派な意思表示になります。
資本主義だけが善じゃねえぞと。
消費だけが文化じゃねえぞと。
そんなことを考えていた僕よりも、はるかに先行して行動に移しているひとたちがいました。
カナダの非営利団体、Adbusters(http://adbusters.cool.ne.jp/ )。
キャンペーンはその名も「Buy Nothing Day 」。
年末年始、商店が一番が賑わう時期にこそ、ものを買うのは止そうぜ!というキャンペーン。
お馬鹿っぽい調子で繰り広げられていて、なんともいい感じ。
このキャンペーン、年末年始だけでもいいけれど、どうせなら年中やりましょう。
消費も地球の回転も、24時間365日、止まりません。
可能な限り、Buy Nothing Days。
買えないものを守るために、買いません。